みゆきの ひとことメッセージ バックナンバーはここ●
とても複雑になっている今の税金、
特に財産税は、複雑怪奇の伏魔殿、ですが、
わかりやすく、お役に立つように、ふだんの言葉に翻訳します。
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任期
ハンセン病の政府補償訴訟が、熊本地裁患者側勝訴、政府側控訴断念、小泉首相の謝罪、政府声明発表という展開になっています。
故松本清張氏原作映画「砂の器」を思い出した方も多いのではないでしょうか。
ハンセン病患者隔離政策のために、村を追われ、石つぶてを受けながら、吹雪の路頭を旅していく故加藤嘉演じた親子の後ろ姿がまざまざと蘇ります。
国家賠償の時効が20年であるなら、政府は、なぜ時効にかかるほどの、40年もの間、問題解決を放置したのでしょうか。
これはつまり、この40年の間、患者のためにたった1回「負け」を言える、自分で泥を飲める人が、旧厚生省に、これまでの政府に、たった一人もいなかったということです。
もちろん、それを言ってしまって、裁判で負ければ、官僚組織では「負けた役人」になってしまうのでしょう。
勝ち続けてこそ出世コースを全うできるお役人の辞書には「負け」という言葉はないのかもしれません。
自分の任期さえ過ぎてしまえば、この期間さえやり過ごせば…、くる人もくる人も、そうして40年間、問題を先送りしてきた結果でしょうか。
お役人さんたちの、つらい、やりきれない構造です。
小泉首相は、リーダーシップの特権を使って、「負け」を取りました。
もちろん国家賠償の時効という民法に背いた特例を作れば、他にあまたある賠償訴訟との調整が必要になってしまいます。
しかし、法形式の「勝ち」の可能性にこだわるより、「負け」て謝罪したことで、小泉首相は、国民支持を集め、総選挙など別の「勝ち」を取ることになるのでしょう。
なによりこれは、政策と国是の根源に関わることだからです。
政治も会社経営も、短期の任期の成績だけで業績判断をしようとすると近視眼的になり、本と末の順番が混乱します。
「自分の任期」での不良債権処理の先送り、「自分の任期」での赤字決算の先送り、「自分の任期」での商品リコールの先送り、その結果が、それぞれに、現在の日本のデフレスパイラルを招いています。
夜を徹して働き続けているお役人さんたち・企業人のおひとりおひとりの姿勢の根底には、国民と社会の発展への果てしない誠意と忠誠心があります。
優秀で前向き、どんな労苦も厭わず犠牲的に成し遂げて、自分こそがこの国と社会を築く気概に溢れた素晴らしい方々です。
そのお役人さんたちと企業人の、人としての良心と信念にもとづいた情熱が、行政や企業の中で活かされていく仕組みを作っていけないものでしょうか。
May.27th.
2001 みゆき wrote.
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