エクスプレスの経営相談室

Q:中古ビルの有利な減価償却法は? (平成12年1月 東京都のビルオーナーさんから)

 私は平成10年6月に築20年の中古の競売物件ビルを1億円で個人名義で取得し、リニューアルして賃貸し、50年の耐用年数で、定額法償却しました。

 建物は平成10年以降定額法とされて、あまり償却ができませんので、来年3月の確定申告で、できるだけ経費化したいのですが、なんとかなりませんか。

A.エクスプレスのご回答

(1)中古資産の見積耐用年数

 中古資産を取得した場合に、使用に耐える残存耐用年数を見積計算します。その合理的な見積もりができない場合に、次の算式で簡便見積耐用年数を適用してよいことになっています。

(法定耐用年数−経過年数)+経過年数×20%

 4年落ちのベンツの定率法償却率は、68.4%です。中古資産は、取得年にきちんと経理すれば実は大変な税金効果になるのです。

 築20年のRCビルの場合は、平成10年の耐用年数通達改定後で法定耐用年数が50年ですから、34年に短縮され、定額法でも、償却率は、3%です。

 ところがご相談者は、取得年に法定年数の50年で償却したようですが、見積計算は取得初年度に限られていることから、残念ながら、翌年以降では簡便見積耐用年数への変更はできません。(エクスプレス情報平成11年3月13日号)

(2)定額法限定は建物のみ

 また、平成10年4月以降取得建物であっても、定額法に限定されるのは、建物だけで、電気給排水など付属設備や広告塔など構築物は定率法との選択適用が可能です。

 定額法は耐用年数期間にわたって均等に償却しますが、定率法は使用初期は定額法の倍も多く償却するため、減税効果が高まります。

 中古建物であっても、取得原価のうち付属設備や構築物を区分経理することで、法定耐用年数15年定額法償却率6.6%の電気設備なら、法定耐用年数4年定率法償却率43.8%を採用することができたはずです。

 中古の耐用年数短縮はもう手遅れですが、せめて平成12年申告からでも定率法が適用できるように、この3月15日までに償却方法の変更届を提出しておきましょう。

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