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NO.181 金庫株解禁の改正商法成立−会社の自社株買取・保有が、原則自由に
平成13年6月22日午前の参院本会議で、企業が自由に自社株を保有・処分できる金庫株制度の解禁を柱とする商法改正法案が可決成立した。6カ月以内に、今秋から施行の見込み。
≪ 会社が自社株を買い戻し、消却しないまま保有して、金庫に放り込んでいる状態の自社株を「金庫株」といいいます。
1.原則買い戻し不可→原則可へ
これまでは、自社株買い戻しは、商法上下記の場合に限られ、自社株買い戻しは原則禁止されていた制度が、大きく変わることになります。
@会社分割・減資における株式の消却、A合併・吸収分割・営業譲渡、B権利の実行(競売や代物弁済)、C株主の買取請求権の行使による買取、D発行済株式の10%までの使用人・取締役への譲渡、E株式の利益消却、F譲渡制限ある株式で会社へ売渡請求(次のGと合わせて発行済株式数の20%)、G相続人からの相続開始後1年内の取得(Fと合わせて20%)
改正商法により、どんな目的でも自社株を取得でき、保有の期間や数量にも制限がなくなります。
2.自社株買い戻し自由化の狙いと効果
この自社株買い戻し自由化の狙いと効果はどこにあるのでしょうか。
@金融機関が改正銀行法の規制により保有できなくなった株式を放出した場合に、そのままですと市場で株価の下落を招きますが、自社株を事業会社が取得することができるようになれば、株価を安定させ、株価の急落を防ぐことで証券市場を支えることができます。
A企業買収の時に保有する自社株を買収資金代わりに使うことができます。
@自社株には議決権はありませんが、企業買収を受けそうになった場合に、保有自社株を売却し、議決権数を増やして経営防御に使うことができます。
また、非公開会社でも、自社株の買取・保有が自由になるのですから、当然、会社を受け皿として相続人は自社株を物納し、会社は国からその株を買い取ることが可能になります。
3.買取金額の制限
ただ債権者の保護のため、改正商法は保有できる自社株の取得金額は、下記の金額を越えないこと、とする制限を設けています。
| 取得金額の総額<配当可能利益+減少する法定準備金・資本金の額 |
会社の含み益が大きい場合は、配当可能利益の計算上その含み益は除かれますから、含み益のため高額評価になっている会社の株主には限界があるといえます。
4.単位未満株制度廃止→単元株制度の導入
また、今回の改正で、大半の上場企業で採用されている単位株制度(1000株を最小の売買単位とする制度)廃止し、売買単位を企業が自由に決められる仕組み=単元株制度を導入することとされます。≫
最新トピック:平成13年6月8日付(平成13年6月12日掲載) 金融
NO.180 自分で運用できる会社の年金が始まる!(日本版401k)法成立
平成13年6月8日、確定給付企業年金法が参院本会議で可決、成立した。施行は2002年4月。
また、平成13年6月12日、衆院午後の本会議で確定拠出年金法案を自民、公明、保守の与党3党などの賛成多数で可決、参院に送付した。参院での審議を経て今国会中に成立する見通しだ。10月1日施行。
≪年金制度が大きく変わります。特に先行施行になる確定拠出年金法案は、従来の年金制度の仕組みを大きく転換します。
では、成立した確定給付企業年金法と参院送付となった確定拠出年金法案とは!
●確定給付企業年金法
確定給付企業年金法は、将来の年金額をあらかじめ決めておく確定給付型の企業年金を、下記の3つに再編します。
(1)既存の厚生年金基金
(2)厚年基金から公的年金の一部を国に代わって支給する部分を取り除いた「基金型企業年金」
(3)税制適格年金を改良した「規約型企業年金」
3タイプとも、将来の年金支払いに必要な資産があるかを毎年検証することとされています。
適格年金は法施行後10年以内に廃止されます。
●確定拠出年金法案
運用の実績に応じて受取額が変わる確定拠出年金の仕組みを定めたもので、米国の401kに習って設定されたため、日本版401kとも呼ばれます。
米国の先般までの好景気の背景には、401k制度による莫大な年金資産が、証券市場で活発に運用されたことにあります。
企業が従業員のために導入する企業型と、自営業者らが個人単位で加入する個人型の2種類があり、すでに、各証券会社や生保が導入に向けて名乗りを上げています。
会社に託す年金資金も、従来型の確定給付年金と自分で運用する確定拠出年金を選択できるようになるでしょう。
サラリーマンさんであっても、自分の年金資産の運用を自分のセンスで行っていくことができる、新しい時代の幕開けです。≫
| 2つの年金制度の違い エクスプレス・タックス株式会社作成 | ||
| 確定給付年金(従来型年金) | 確定拠出年金 | |
| 運用 | 企業に運用が任せられる | 運用方法を自分で決められない。 |
| 受取額 | 確定 | 未確定・自分の運用実績次第・リスクは加入者が負う |
| 運用方法 | 企業に任せる・自分で決められない | 自分で運用商品を選択できる |
| 資産管理 | 企業に任せる | 個人ごとに資産を管理するので、自分の資産をつねに把握できる。 |
| 税優遇 (払込時:所得控除、 受取時:元本非課税) |
受けられる。 | 受けられる。自己運用としては預貯金より有利 |
| 転職時 | 転職時に残高を持ち運びできない。転職者や中途入社の人は、受取の権利が発生するまで時間がかかるので不利になる。 | 転職時に残高をそのまま持ち運びできる。 |
| その他 | 企業負担が大きい | 加入者が自分で運用商品を選択するので、情報収集、投資知識を自分で身につける必要がある。 |
※このあと、平成13年6月22日午前の参院本会議で、確定拠出型年金法は成立しました。
最新トピック:平成13年4月20日(平成13年4月日掲載)
NO.179 緊急経済対策与党合意−10月1日からの100万円以下譲渡益非課税案決定
平成13年4月20日、与党税制協議会(自民、公明、保守3党)は、緊急経済対策を具体化する税制上の措置を決定した。
[経済対策閣僚会議 緊急経済対策] [与党3党 緊急経済対策に係る税制上の措置]
≪与党3党は、緊急経済対策に合わせて、税制上の措置を決定しました。
■緊急経済対策の骨子
平成13年4月6日に経済対策閣僚会議において先行していた緊急経済対策の骨子は下記の通りです。
1.金融再生と産業再生
(1)金融機関の不良債権問題と企業の過剰債務問題の一体的解決
(2)銀行の株式保有の制限
2.証券市場の構造改革
(1)金庫株の解禁及び株式の投資単位当りの純資産額基準の撤廃
(2)確定拠出年金及び確定給付企業年金
(3)証券決済システムの改善
(4)株価指数に連動する現物出資型の上場投資信託(ETF)
3.都市再生、土地の流動化
(1)「都市再生本部」(仮称)の設置
(2)21世紀型都市再生プロジェクトの推進
(3)土地の流動化
(4)PFIの積極的活用及び公務員宿舎跡地等の再開発
4.雇用の創出とセーフティーネット
(1)新市場開拓に資する規制・制度改革
(2)イノベーションのための重点投資・システム改革
(3)雇用面のセーフティーネットの整備
5.税制の整備
■税制上の措置
平成13年4月20日公表の税制上の措置は、下記のようになります。
1.償却目的以外の自己株式取得保有にかかる税制
商法改正により金庫株が解禁されることに伴い、自己株式の取得保有についての税制を定める。
@自己株式の取得に応じた株主を原則としてみなし配当課税の対象とする、
A上場会社等の公開買付けによる自己株式の取得に応じた個人株主の課税の特例を設ける
(1)1 自己株式の取得・保有制限の見直し等の商法改正案に係る税制の整備等、関連する税制について所要の整備
2 上場型株式投資信託(ETF)に係る税制の整備
上場型株式投資信託(ETF)(=現物拠出型で特定の株価指数に連動する運用成果を目指す)を株式投資信託(特定株式投資信託)の対象とする
3 長期保有株式に係る少額譲渡益非課税制度の創設等
(1)1年以上長期保有上場株式の譲渡益について申告分離課税を選択した場合、一定額まで非課税とする制度の創設
(2)申告分離課税への一本化の実施時期及び一本化時における税率の軽減、譲渡損失の繰越控除制度の創設等株式譲渡益課税のあり方について抜本的な見直し
4 老人マル優の対象となる株式投資信託の拡大
老人マル優の対象となる株式投資信託について、運用資産における株式の組入れ比率等に係る要件を緩和する。
5 検討事項
(1)銀行保有株式取得機構(仮称)に係る税制上の措置については、買取りスキームの具体化を踏まえ、所要の検討を行う。
(2)都市再生、土地流動化の促進については、これに関連する施策・制度を総合的に推進する中で、これに対応する流通税など関連税制に係る有効な措置について、引き続き協議の上早急に結論を得る。
(3)居住用資産の買換え損の繰越制度等、既往の住宅ローン保有者に対する税制面での支援のあり方について、引き続き協議の上早急に結論を得る。
■施行は平成13年10月1日から
ここ数日の株価上昇を生んだ長期保有株譲渡益の100万円非課税制度は10月から施行見込みです。
400億円と見込む初年度減税額はこの10月以降の非課税分の試算というわけです。
さてさて、利益株の売却は10月以降か、と手ぐすね引いている方もいるでしょう。
譲渡益100万円以下分が非課税です。
申告分離課税と源泉分離課税が併走している以上、10月までの源泉分離課税での売却税分と10月以降の申告分離課税で100万円以下分との税金パフォーマンスのチェックが必要になりそうです。
不良債権処理や、日本経済の再生で最も待望されていた土地取得の登録免許税・不動産取得税の撤廃は、またもや持ち越されました。≫
最新トピック:平成13年4月1日付(平成13年4月7日掲載) 金融
NO.178 生命保険会社、予定利率を一斉引き下げ−厳しくチェック、あなたの生保
平成13年4月1日より、標準責任準備金積立の計算基礎率である標準利率が改定されることに伴い、生命保険会社各社は、予定利率の一斉引下げを行った。
≪日本の生命保険会社各社は、この4月1日付けをもって、予定利率の一斉引下げを行いました。
これは、標準責任準備金積立の計算基礎率である標準利率が2.0%から1.5%に引き下げられることを理由としています。
予定利率の引き下げは、契約者にとっては、保険料率の引上げに跳ね返ります。
ただし、引下げ状況は各社まちまち。
2.15%→1.65〜1.75%の会社もあれば、2.35%→2.0%の会社もあります。
生命保険会社さんには、従来からの国内生保さん、損保から生保算入組であるひらがな生保さん、外資系のカタカナ生保さんが混戦乱戦しています。
ここでご注意。
予定利率というのは、養老保険などの主保険につく予定利率です。
保険の成績には、主保険の利率だけでなく、運用率で決まる解約返戻率なども重要な要素です。
また、最近でも、平成13年3月23日に更生特例法適用申請をした東京生命、平成13年4月2日更生認可を受けジブラルタル生命となった協栄生命など、生保会社の破綻が相次いでいます。
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生保会社の財務諸表は、今後各社の平成12年度決算などで明らかになるでしょう。
その場合、目安にすべきは、支払余力を計数化した「ソルベンシーマージン比率」と、「責任準備金積立比率」です。
また、実績を元に、わかりやすい評価を付しているのが、ムーディーズやS&Pなど格付け会社の評価です。
公表される各社のIR(インベスタ・リレーション)情報やディスクロージャー資料により、ご自分の加入会社のチェックをしてみましょう。
間違いのない生保会社選びと、自分に合った保険商品選びが、今後の資産運用の大切な基本です。≫
最新トピック:平成13年3月28日付(平成13年3月28日掲載)
NO.177 平成13年度税制改正法、参院本会議で成立、政令も公布されて、新税制スタート!
平成13年3月28日午前10時30分、平成13年税制改正法が参院本会議の決議をもって成立した。
衆議院可決時の付帯決議を付されたものの、原案通りの成立である。
[ 平成13年度改正税法施行令等掲載官報]
≪法案は、付帯決議が付されたものの、修正なく可決成立しました。
付帯決議は下記の通りです。
1.中長期的な財政構造健全化の必要性にかんがみ、今後の経済動向にも留意しつつ、歳出の重点化に努めるとともに、歳入の根幹をなす税制に対する国民の理解と信頼、税負担の公平性を確保する観点から、課税のあり方についての抜本的見直しを行い、社会経済構造の変化に対応した税制の確立に努めること。
2.租税特別措置については、政策目的、政策効果、利用状況等を勘案しつつ、今後とも一層の整理・合理化を推進すること
3.特定非営利活動を支援する税制については、非営利活動を促進するという趣旨等に従って認定基準を定めるとともに、その実態等を踏まえ、引き続き検討すること。
4.変動する納税環境、業務の一層の複雑化・高度情報化・国際化、更には滞納整理等に伴う事務量の増大にかんがみ、複雑・困難であり、かつ、高度の専門知識を要する職務に従事する国税職員について、税負担の公平を確保する税務執行の重要性を踏まえ、職員の年齢構成の特殊性等従来の経緯等に配慮し、今後とも処遇の改善、定員の確保及び機構・職場環境の充実に特段の努力を行うこと。
5.高度情報化社会の急速な進展により、経済取引の広域化・複雑化及び電子化等の拡大が進む状況下で、従来にも増した税務執行体制の整備と、事務の一層の機械化促進に特段の努力を行うこと。
法律成立は3月ですが、贈与税基礎控除や譲渡課税等は、1月1日に遡っての適用です。
まだ法案でしょ?と心配なさっていた方も、これでどんどん実行できますね。
改正法の成立を受けて、3月30日、施行令も公布されました。
特に企業再編税制は政令による内容も多いため、注目したいところです。≫
最新トピック:平成13年3月22日付(平成13年3月26日掲載)
NO.176 公示価格10年連続下落、平均▲4.9%−見えてきた上昇地域
平成13年3月22日、国土交通省は地価公示価格を公表した。
全国平均で対前年比▲4.9%、商業地▲7.5%、住宅地は▲4.2%である。
≪平成3年よりの10年連続の地価公示価格の下落です。
■上昇地は、都心部再開発商業地と城南都心部■
商業地は、都心部の再開発商業地が、ほぼ下げ止まりから一部上昇しています。東京駅・品川駅・新宿駅の再開発地域は上昇転化。開通した大江戸線沿線も復興です。
住宅地では、港区渋谷区など、城南地域は安定か上昇。特に、麻布・青山・赤坂の「3A」地域を擁する港区は、上昇率上位をほぼ独占しました。
■下落地は、産業沈下都市部と郊外商業地・住宅地■
逆に都心部でも産業転換の図れない日本橋や神田、墨田・葛飾などは、隣接の丸の内・八重洲が上昇しても下落です。
また、大幅下落は郊外です。商業地も住宅地も、首都圏では千葉地域、全国では札幌・大阪などが大きな下落を記録しています。都心部と郊外の2極化という単純図式ではありません。商業地は、再開発を含め、産業展開に積極的な地域かどうか、住宅地は環境風紀利便の良い地域かどうか、が問われます。
■上昇地の行方は?−商業地は収益還元価格が目安■
公定歩合0.25%への引下げによっても、デフレスパイラルと呼ばれる株安・円安の現在、地価は大勢では更に下落するでしょう。
しかし大きな流れが見えてきました。資産は、今後より活性化する地域と資産に投入しましょう。
では、その判断目安は?
ここから先は、エクスプレス情報NO.112でどうぞ。
■下落地は、時価実現の損出し簿価下げを!−転んでも、タダでは起きない収益移転■
では、下がっていく土地、特に路線価より時価の低い土地はどうしたらよいのでしょうか。
Aさんの父上が平成3年に1億で買った土地は今2,570万円(首都圏平均)です。父上のもしもの時は路線価で約2千万円で評価され、父上の相続税率が50%で、約1千万円の相続税負担です。
そこで、Aさん親子がとった方策は?ここから先は、エクスプレス情報NO.112でどうぞ。
最新トピック:平成13年3月10日付(平成13年3月10日掲載)
NO.175 まだ諦めない−したたか確定申告
確定申告は3月15日(木)を以て期限を迎える。しかしこれは、申告納税の場合。
還付申告は、法定申告期限の3月15日まで可能であり、確定申告をしていなかったサラリーマンは、5年後の還付申告でもOK。
≪確定申告の期限である3月15日に締め切られるのは、納税のある期限内申告です。
1.住宅ローン控除と3千万円非課税特例、選択は大丈夫?
まずチェックしたいのは、適用特例の有利不利です。これは、この日の申告まで。後日変更は効きません。
例えば、自宅を買い換えて、譲渡益が出た場合、3千万円のマイホーム非課税特例と住宅ローン控除は、どちらか選択。
住宅ローンを3千万円使って、15年間で合計300万円還付を受けられる方が、1千万円の譲渡益で260万円の譲渡税特例を受けるのは、長い目では損。
損益分岐点は、ローン控除総額÷26%+100万円。
もういちど、申告書に目を配って、もし提出済みなら、3月15日までは訂正申告が効きます。
2.売却時期は大丈夫?
平成12年中に不動産を売った方。
契約日が平成12年中でも、売却資産の引渡が平成13年なら、譲渡申告は、来年で大丈夫。
逆に、来年申告のつもりでも、売却損が出る方で、平成12年より平成13年の所得の方が下がりそうだぞ、という場合は、今年の損失申告。
いずれも、この3月15日以降の対応でも間に合います。
ちょっと視点を変えると、意外なメリットが。
3.事業買換えの特例申請の可能性は?
平成12年中に事業用不動産を売った方。
素直に26%の譲渡税を今日は納付、の予定でも、ちょっと待って。
もし今年末までに事業用不動産を取得する可能性がほーーんの1%でもあれば、買換え特例を申請しましょう。
税金のうち、26%の税金は、今年は5%程度にきゅっと圧縮。
もし今年末までに買わない場合は、残りの税金を来年4月までに払います。
もちろん延滞税など一切かかりません。
世は不況。今年末までに利回りのいい事業用不動産が出てくるかも知れませんね。
周囲が厳しいときほど、しっかり利益を取るのが、「金持ち父さん」です。
さ、もういちど、チェック、チェック。
4.諦めないで−修繕費の経費化
どんな多額で複雑な工事でも、補修修繕塗装張替貼替と20万円未満の資本的支出は、100%経費化です。
過去に建物設備を一括計上して建物として償却してきた場合、設備ごと分解して短い耐用年数で償却経費化を図ります。
これは事前届出不要です。
5.まだ諦めない、もぎとり還付
払いすぎの税金を取り戻すための還付申告は、その確定申告を既にしてある場合は、法定申告期限(これが翌年3月15日まで)から1年間(更正の請求といいます。)、サラリーマンのように確定申告していない場合は、法定期限から5年間は、還付申告が可能です。
3年前の住宅ローン控除、2年前の医療費、意外に諦めている人が多いようです。
所得330万円以下(年収で500万円以下程度)の方が受ける株式配当は、2割の源泉が引かれていますから、申告するだけで最低でも半額還付。無職の奥様なら全額還付。
まだ株の高かった平成11年や12年初の株配当は大きかったはず。これなど諦めて、というより、知らなかった、という方が大多数。
この不況の厳しい時期。戻せるキャッシュは、しっかりGETしましょう。
6.まだあった、申告不要のチカラ技
サラリーマンさんが、本業のサラリーの他に、不動産や株式、サイドビジネスで稼いだ所得(=利益)が年20万円以下なら、そもそも確定申告不要。
例えば、年収600万円のサラリーマンさんが月6万円でマンションを貸して、年収72万円。その借入利息と減価償却を差し引いた所得(利益)が18万円なら、実は確定申告は不要です。
えーー!申告して3万6千円の所得税を納めちゃったよ、という方は、しっかり還付申告しましょう。
この申告不要制度は、実は20万円までを非課税にしてくれる制度ではありません。
申告してしまえば、あくまで課税なのです。税務署から不要ですよ、とはいってくれません。
しかし、申告不要なのに気がついて、敢えて還付申告した人には、よくぞ気がついた、返してあげよう、と、ちゃぁんと還付してくれるように配慮されています。(所得税法基本通達121−1)
ね、知ってると、いいこと、あるでしょ。≫
最新トピック:平成13年3月1日付(平成13年3月5日掲載)
NO.174 全国(東京都以外)で、固定資産税評価額登録台帳縦覧開始−さぁ、縦覧に行きましょう。
平成13年3月1日より、東京都以外の地方自治体で、平成13年度固定資産税評価額の台帳縦覧が始まった。各市区町村役場の資産税課で、21日(水)まで行われる。なお、東京都は4月2日から縦覧開始される。
≪固定資産税評価額の登録台帳の縦覧制度は、毎年3月に行われます。
これも行政情報が闇の中で処理されていた時期のなごりでしょうが、本来なら、自分の不動産の評価額は、縦覧時期でなくとも、一年中閲覧できて当然です。
平成13年東京都税調の答申においては、「第4章資産課税の今後のあり方、(2)固定資産税評価額の公開等」において、
「納税者本人に係る税務情報については、例えば所得や資産価格の決定過程、税額計算過程などを含めて、可能な限りこれを「情報公開」していく必要がある。」とされています。
しかし、情報公開法の施行をこの平成13年4月1日に控えながら、まだまだ納税者に対する行政情報公開は進んでいません。
土地の評価計算明細さえ、まだ原則非公開です。
そして、5月の納税通知書には資産明細書が添付されてきますが、これには、負担水準や地価変動率などは記載されません。
ぜひとも登録台帳で、自分の不動産の行政データをきちんと把握、できれば、担当部署に請求して計算明細まで要求しましょう。
また、平成12年の評価替えが行われたため、平成13年は、修正改訂のみになっていますが、地価下落の著しい市区町村では、評価改訂が行われます。この点もよくチェックしましょう。
固定資産税評価額を知ることは、自分の資産管理の第一歩です。≫
平成13年3月1日付(平成13年2月28日掲載)
NO.173 平成13年3月1日より公定歩合さらに引き下げ!
相続税延納利子税は、2.0%に!来年6月以降の延納納付から!
平成13年2月13日より、公定歩合が引き下げられ、0.35%となっていたが、さらに3月1日から0.25%に下げる。
東京株式市場で日経平均株価が続落、バブル後最安値1万2883円54銭を記録したことを受けたもの。
96年以来、0.5%を維持してきた公定歩合の引下げにより、景気テコ入れを図るものである。
≪公定歩合がまたまた引下げになります。
1.公庫金利も連動!
財政投融資資金を源泉とする住宅金融公庫融資も、平成13年1月22日以降申込にさかのぼって、基準金利2.60%適用とされることになりました。
年金住宅融資は、1月22日以降の申し込み受け付け分から引下げ金利を適用、一般住宅(居住面積が50-175平方メートル)向けの一般貸付で、35年間の固定金利型の場合、これまでより0.05%低い3.33%となります。
公定歩合の引下げにより長期金利の引下げが行われています。
2.相続税の延納の利子税は、過去最低の2.0%に
また、相続税の延納の利子税は、平成11年税制改正以降、分割納付の2ヶ月前の末日の公定歩合を基準に下記の算式で算定されることとなっています。
4%+公定歩合:7.3%=新利子税率:現行利子税率3.6%
こうして計算すると、不動産等の割合が75%以上である場合の相続税の延納利子税現行2.2%は、なんと2.0%に下がります。
相続税の延納は、相続税の納税方法として、有力な選択肢となります。
もちろん、この利子税率は、現在延納中の方の来年6月以降に到来する分納税額から適用!
来年5月以降の分納税額のある方は、2.1%です。
利子税に注目しましょう。
3.その他の延滞税や還付加算金は?
公定歩合を基準に決める利率に、税金を払い遅れた場合の延滞税や払いすぎの場合の還付加算金の率があります。
が、これは、あくまでその年の前年11月末日の公定歩合+4%(最高7.3%)。
今年は4.5%のまま、もしこの公定歩合が平成13年11月末まで継続すれば、平成13年1月1日以降の延滞税などが、4.25%になる、というわけです。
公定歩合の推移を見守ってみましょう。≫
※住宅金融公庫基準金利は、この後、平成13年3月14日決定により、1月22日以降申込分2.55%に下がっています。
平成13年2月6日付(平成13年2月6日掲載)
NO.172 パソコン税制は、3月末まで。20万円以上100万円未満パソコンの駆け込み取得と使用開始はこの決算日までに
平成13年2月6日、平成13年税制改正2法案が閣議決定となった。
政府は6日、国税関係の税制改正2法案を閣議決定し、国会に提出した。
法案は「法人税法等の一部を改正する法律案」と「租税特別措置法等の一部を改正する法律案」。
法人税法等の一部改正法案は、合併・分割等の企業組織再編税制が盛り込まれている。
また、法人税法のほか、所得税法、相続税法、国税徴収法、地価税法や、国税通則法、石油ガス税法、印紙税法、登録免許税法、電源開発促進法、消費税法、法人税法等の一部改正法(10年法律)のそれぞれの改正法案が盛り込まれている。
同法案の企業再編以外のものでは、第三分野の保険の所得控除の見直しや、外国税額控除の見直しがある。
措置法等の一部改正法案では、住宅・土地税制、中小企業税制、IT税制、NPO税制などのほか、企業組織再編税制のうち、特別償却、準備金など措置法関係のものが盛り込まれている。
≪平成13年度税制改正2法案が閣議決定され、国会に提出されました。
13年改正案は、3月の国会決議を待つばかりとなります。
ここでの注目は、平成11年以降、2年にわたって導入されてきたパソコン税制の廃止。
この平成13年3月31日までのパソコンの取得・事業供用を最後に、一括償却制度はなくなります。
4月以降の手当として、パソコンの耐用年数を6年から4年に短縮することにより、定率法現行31.9%から、43.8%へと拡大されることになっています。
これは、1年目43.8%、2年目56.2%×43.8%=24.6%、3年目31.6%×43.8%=13.8%、と事実上3年間で89.2%まで償却できてしまうことになります。
また、中小企業投資税制による100万円以上電子機器の30%割増償却とセットすれば、初年度でも73.8%、2年目で11.4%、2年間合計で85%償却できることになります。
ただ注意したいのは、耐用年数短縮は、平成13年4月1日開始事業年度から。つまり、2月決算の会社は、来年3月以降のパソコン取得まで、経費化できない期間が発生します。またパソコンで100万円以上の投資は、なかなか、という会社もありますね。
ということは、一括償却を狙うなら、この3月末までに購入、使用開始、が必要というわけです。
特に2月まで決算法人の決算対策は、ご注意ご注意!≫
最新トピック:平成13年1月26日付(平成13年2月1日掲載) 金融NO.171
下がってきたぞ、公庫金利!−住宅金融公庫基準金利、2.70%に引下げ!
平成13年1月26日、住宅金融公庫は、基準貸出金利を2.70%に引き下げた。1月22日申込分より、適用される。
住宅金融公庫 [ファミリー賃貸住宅融資 ] [マイホーム住宅融資 ]
≪公庫基準金利は、平成12年11月に2.85%を2.80%に引き下げられていましたが、さらに引き下げが行われました。
公庫金利は、平成10年12月の史上最低金利2.0%を境に、長期金利の上昇に伴い、じりじりと漸増していました。
しかし、株価の低迷などにより、年度末に向かい、景気動向が危ぶまれており、そうした中で、2段階にわたって、引下げが行われたものです。
史上最低金利で、「住宅が売れているのではなく、低金利が売れているんだ」という声もあるなか、平成13年税制改正で住宅ローン控除が7月から期間短縮になるにもかかわらず、金利上昇に追い越されまい、と住宅取得熱は高潮しています。
しかし、このマイホーム熱、ほんとうに家族のライフプランに合った、確かな住宅の取得に繋がるように、祈るばかりです。
一方、賃貸住宅融資も、いっしょに金利引き下げですが、とりあえず、募集は1月31日まで。次の金利の読みによって、さあ、どう動くのでしょうか。平成10年の住宅金融公庫調査(下記グラフ)によれば、求められているのは、ズバリ、分譲住宅に負けない住宅の性能・設備の質なのです。≫
※住宅金融公庫基準金利は、この後、平成13年3月14日決定により、1月22日以降申込分2.55%に下がっています。
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| 「賃貸住宅入居者の賃貸住宅選択ポイント」 平成10年12月住宅金融公庫調査より |
最新トピック:平成13年1月21日付(平成13年1月21日掲載) NO.170
贈与税の基礎控除増額・住宅取得資金550万円非課税は1月1日スタート
平成13年度の税制改正法案は、正式には、3月の国会決議をもって正式に成立するが、遡及適用され法律は、すでに1月1日から新制度での取扱になる。
≪平成13年度の税制改正のうち、3月に国会成立したら、そのまま1月に遡って適用される項目があります。
贈与税の基礎控除の110万への増額や、住宅取得資金贈与特例の550万円までの非課税制度、相続税小規模宅地の特例の面積増加、は、1月1日まで遡っての贈与や相続に適用されます。
今マイホームを購入にあたって、父母・祖父母からの贈与資金を充当しよう、という人は特例適用できれば550万円まで非課税、1500万円まで特例計算です。新しい法律が、遡って機能してくれますから、さあ、資金繰り計算をみなおしてみてください。
■一生1度のワン・チャンス・カード
買換えの二次取得もOKですが、一生1回しか使えません。過去に使った人は残念ながらアウト。贈与の住宅取得は一生で一番たくさんいただけるとき!を狙うのが正解。使えるカードは1回です。
■前年贈与で税金も親がかり
税金分を後で贈与を受けると、以後5年間は課税です。住宅プランができたら即、基礎控除ちょっとで贈与。前年50万円贈与を受けた人なら、今年1千万円贈与資金で住宅取得。45万円の贈与税は前年分から払って、1千万円全部が住宅取得充当。
■6ポケットは、贈与だけで家が建つ!
祖父母から夫婦と孫に贈与すれば、3千万円でも135万円の税金。今のご夫婦とお子さんは、母と母型の祖父母、父と父方の祖父母、という6つのポケットを持っているのですね。
■住宅譲渡損繰越・ローン控除と併用
住宅買換えしたけれど損益通算しきれない損失の3年繰越特例や住宅ローン控除との、トリプル併用が可能です。
■相続税対策にも
相続人一人当たり資産2億円超の相続税率は50%。贈与1千万円で450万円、相続税の減額です。基礎控除を活かした毎年贈与などなど、安心の生前対策はエクスプレスセミナーで。≫
※特例適用判定フローチャートは、エクスプレス情報NO.109で。
最新トピック:平成13年1月6日付(平成13年1月6日掲載) NO.169
省庁再編内閣府と12省庁に−納税者の声を反映した行政に
平成13年1月6日、省庁再編が行われ、同時に旧大蔵省は財務省に衣替えした。
先行する1月5日、宮澤財務相は、下記のように記者会見で語った。
「財務省ということになって、 130年にして新しい名称を称するようになるわけで、それについては、いろいろな感慨もあるけれども、新しい役所になるという気持ちで、省内の諸君がいろいろ検討し、また合意してくれたように、納税者の立場に立って行政をするということである。我々は納税者の財産を預かり、金を預かって、それをいかに国のために運用するかという仕事を受け持っている役所であるが、そのためには、納税者のためにどうしたら一番いいかということを中心に考えていこうと、それが財務省の基本的な哲学であるということに尽きていると思いますね。」
[宮澤財務相の記者会見]
≪1949年の国家行政組織法以来の変更とされる今回の行政省庁再編です。
税金を職掌する大蔵省は財務省になりましたが、担当相から「納税者」の言葉が出るのは喜ばしいことです。
新財務省だけでなく、全省庁が、ひたすら納税者に向いて新しい行政に邁進すべきだからです。
海外では、「タックスペイヤー(納税者)として」という言葉が日常頻繁に使われます。
自分が税金を払ってこの国を支えているんだから、その分は、きっちり主張させてもらおう、というわけです。
そのためには、まず納税者自身が、その自覚と意見をもっともっと表現していくべきなのでしょう。
先進国でありながら日本に足りないもの、それは納税者憲章です。一日も早い実現を望みます。
とまれ、財務省は英語でも大蔵省と同じMOF(ミニストリー・オブ・ファイナンス・ジャパン)ですから、ホームページアドレスの移動はほとんどありませんでしたが、名称の変わった国土交通省(建設省+運輸省)、経済産業省(旧通産省)などは、ホームページも移転。
リンク集のリンクを張り直しておきましたのでご利用下さい。
[エクスプレスの税金リンク集]
このホームページがスタートした平成9年当時は、まだほとんど行政ページが公開されておらず、日本の行政情報公開のお粗末さに歯がゆい思いをしてきましたが、最近の各省庁の情報公開の姿勢の進展は目をみはるようです。
行政情報が公開されていないときは、一部関係専門家が利権のように情報を握ってひけらかしていたものですが、こうして公開がされていけば、もう、行政情報は知っていてあたりまえ、さらにそれをどう解釈し、どう役立てるか、が問われていくことにもなります。
また、いよいよ今年4月には情報公開法が施行。
納税者が、自分の税金について、自分の行政情報を、自分で確認検証し、自分の税金の使い道をきちんとリードしていくことができるようになってこそ、自分の人生の本当の主人公になることができるはずです。
平成12年11月13日、国税庁は税務行政に関する総務庁の行政監察を受け、納税事務の改善を発表しました。
複雑で納税者に分かりにくい財産の評価方法などに関して、当局の判断を明確に示すよう全国の国税局や税務署に指示した事を始め、これまで閉鎖的で硬直的だった納税事務を改善する方向を打ち出しました。
これは、納税者にとって、とても良い流れです。
この流れが、ほんとうに実施されるように、見守っていきたいものです。≫
最新トピック:平成13年1月1日付(平成13年1月4日掲載) NO.168 資産税
要注意!落とし穴の特定居住用買換え特例−床面積・築年数要件緩和は4月譲渡分から
平成13年分の税制改正のうち、継続適用分や相続贈与税関係は、この1月1日より適用開始されることになる。
正式には、3月の国会決議によって改正法は成立するが、日切れ法案や納税者有利の制度については、原則として1月1日に遡及適用されるのが通例である。
ところが、平成13年改正のうち、納税者有利改正でありながら、遡及適用にならない制度が登場する。
今回3年延長された特定居住用買換えである。
≪居住用不動産の税務特例は、至れり尽くせり。そして12年末で期限が到来したそのほとんどの措置が、平成13年税制改正で15年末迄3年間延長、この元旦からスタートです。
ただし要注意なのは、それぞれの特例の対象物件要件です。これまで各年の改正のつど、床面積要件と中古資産の築年数要件がばらばらに改正されてきました。
国税はほぼ床面積は50u以上上限なし、中古は耐火建物築25年以下、非耐火建物20年以下と足並みを揃えていますが、国税の中で唯一不揃いなのは、居住用財産の買換え特例です。
■100%課税繰延OKの居住用財産の買換え特例の物件要件緩和は13年4月以降譲渡から■
特定居住用財産の買換え特例は、例えば5千万円のマイホームを売却しても、5千万円以上のマイホームへの買換えをすれば、次に売るとき迄100%課税繰延できる税金無利息融資制度。
平成13年改正では、@平成12年末から3年繰延、15年末の譲渡まで適用、A買換え物件の床面積の上限が従来の240u以下から280u以下へ、中古の場合の築年数が耐火20年以下から25年以下へと緩和されました。ここまでは納税者有利です。
ところが、エクスプレス情報NO.106の通り、決定された与党大綱・大蔵大綱では、Aの物件要件緩和のスタートは、平成13年4月1日から。
買換え制度そのものは、平成13年1月1日以降譲渡も継続ですが、物件要件が緩和になるのは4月からですから、3ヶ月間のエアポケットが発生!
制度が延びて要件緩和して4月すぎて築23年の買換取得しても、買換は4月以降譲渡の人だけOK、3月まで譲渡の人はアウト、一気に1,170万円の税金発生。というわけでこれは紛らわしい制度です。
■平成13年1月〜3月譲渡の住宅買換えは、物件選びに要注意!■
平成11年に国税の住宅要件を一斉緩和したときは、3月に国会成立でも、1月に遡及して適用しましたが、今回そんな配慮はまるでなし。落とし穴に落ちて下さいね、と言わんばかりの民を法網にかける制度改正です。どうぞご注意を。≫
居住用不動産の詳しい制度改正内容は、エクスプレス情報NO.108でどうぞ。
最新トピック:平成13年1月1日付(平成13年1月1日掲載):NO.167
去年の所得税還付申告は1月4日から受付開始−税務署へGO!
平成12年分の所得税は1月1日から12月31日までの所得によって計算される。
サラリーマンの場合は、会社の給与を通じて年末調整で税額調整が行われるが、年末調整の対象にならない所得控除や譲渡損、年末現在給与所得のない場合は、確定申告で税額還付を受けることになるが、還付申告は、1月4日の税務署の仕事初めから受け付けられる。
≪平成12年分所得で還付申告のある方は、このお正月にこたつの中で還付申告を作成。1月4日までにポストに投函。還付税額一番乗りをしましょう。早ければ2月頃還付が受けられます。
●資産の売却損があったら損益通算で、税金還付
これはサラリーマンさんとは限りません。
損失が大きければ、他の所得が大きくても予定納税分の税金還付になります。
損失譲渡は、条件を満たせば居住用なら3年間、青色申告なら居住用でなければ3年間繰越控除で税額還付です。
もちろん去年分の所得との相殺で還付OK。
売却年と引渡年がずれたときは、損益通算は、なるべく所得の高い年で、というのも、コツです。
転んでもタダでは起きない人のための国の損失補填です。
●マイホームを買った・建てた人は、税金還付
平成12年中に借入で適格なマイホーム建築・購入して住んだ人は、15年間の住宅ローン控除。
今年還付申告しておけば、来年からは給与の年末調整で手間いらずです。
5歳の幼稚園児のお嬢さんが成人するまで、忘れた頃までついてくる国からの連年ボーナスです。
●サラリーマンで、災害盗難横領などで雑損控除があったら、税金還付
名古屋の水害、盗難、泣くに泣けない被害は、ここで取り戻します。
●サラリーマンで家族全員の医療費が10万円以上、又は誰かの所得の5%以上あったら、税金還付
10万円以上の場合は一番稼ぎのいい人で、それ以下なら、所得200万円以下の人の還付申告とします。
●寄付をした、中途退職で年末調整が受けられなかった、などなども、税金還付。
所得税還付は、たいへんだったね、がんばったね、という人への税金応援制度です。
還付申告は、早ければ早いほど、還付も早い。
確定申告は2月16日からでしょう?と誤解している人もいますから、税務署が空いているすきに、素早い還付申告を受けちゃいましょう。≫
最新トピック:平成12年12月14日付(平成12年12月18日掲載) 資産税NO.165
平成13年税制改正の不思議−長期所有資産の特定事業用買換えはあと3年限り
平成12年12月14日,自民・公明・保守与党3党は、平成13年度税制改正の大綱を決定した。
平成12年末で期限到来する譲渡課税制度は、一律3年間延長されたが、特定事業用資産の買換え特例のうち、1号追い出し買換えのみが、期間要件を10年超に変更され、5年延長となった。
≪ 特定事業用資産買換えとは、不動産を買い換えた場合に、所得税・法人税の課税繰延が認められる制度です。課税の繰延ですから、いわば次に譲渡(又は減価償却)するまでの譲渡税の無利息融資制度といえます。特に注目株は、右の2つ。いずれも約8割までの税金の課税繰延を受けられますが、1号追出買換えは、譲渡資産が福利厚生施設以外の事務所事業所用を市街地外へ買換えることが条件。対して21・22号長期資産買換えは所有期間さえ満たせばOK。
■平成13年以降3年間、長期資産買換え制度があれば、追い出し買換え制度は不要!?■
ところが、13年度税制改正で事業用買換えの中の追い出し買換えの譲渡資産要件が平成3年3月末日以前取得から10年超所有に変わり、21・22号買換えの譲渡資産の所有期間と並んだため、1号追い出し買換えは21・22号長期資産買換えで間に合ってしまい、事実上3年間は1号買換えは不要。エクスプレス情報NO.106で「1号の存在意義はどこに?」と書いたのは、21・22号があれば1号なんかいらなくなってしまったからです。あの優秀な大蔵省主税局がこんな摩訶不思議な改正案を書いたのはなぜか。さっそくエクスプレスが調査した結果、浮かび上がった事実は。
■廃止のはずだった長期資産買換え−4年後には必ず!?■
実は大蔵省は、21・22号買換えは緩和しすぎた制度なので今回廃止するつもりだった、そのために1号の期間要件を変更、ところが自民党と建設省の圧力で土壇場で21・22号存続、しかし1号を戻す時間はなかった、結果不合理な改正になった、というのが事のいきさつ。1号のみ5年間延長したのは、「21・22号は4年後には絶対つぶす」という、実は遺恨の改正だったのです。
■これから3年間最後のチャンス、資産適正配置・選択集中経営の実現で、不動産勝ち組に■
資産は、その最有効利用使用収益して初めて活きた資産となります。自分が最有効利用できない資産は最有効利用できる人へとバトンタッチし、自己の資金は最有効利用できる資産に選択集中すべきです。その選択集中の見極めとスピード実行が、資産の勝ち組を決定します。≫
最新トピック:平成12年12月13日付(平成12年12月14日掲載) 資産税NO.164
平成13年税制改正大綱は協決定−相続税の小規模宅地の評価減は、居住用200u→240uに拡大!!
平成12年12月13日午後、自民・公明・保守与党3党は、平成13年度税制改正の大綱を決定する。
最高税率を現在の70%から60%に引き下げは、やはり見送り、贈与税の基礎控除を現在の60万円から110万円に引き上げ、相続税の小規模宅地の評価減特例を、居住用は現行の200uから240uに、特定事業用等を現行の330uから400uに引き上げる
≪税制改正のあらましが決定されます。 [平成13年度税制改正サバイバル]
1.小規模宅地の減額特例の面積拡大
相続税は最高税率の引下げが実現しなかったかわりに、小規模宅地の評価減の拡大が決まります。
特定居住用宅地・特定事業用宅地等の8割減額が、居住用は40u増、事業用は70u増となりますから、都市部の相続税負担に対する納税者の負担軽減要求にこたえたものとなりました。
小規模宅地減額制度の拡大を掲げた東京都心6区大会での要求が実現したことになります。
2.住宅ローン控除は縮小で延長
住宅ローン控除制度は、10年間最大500万円に縮小しながら、平成15年末まで延長となりました。
ただし一律1%の定率控除となります。
したがって、
@借入額の低い人は、従来のような7年目以降の控除率減がありませんので、改正後でも一概に不利になるとはいえません。
A借入額の多い人は、全体の控除額が縮小してしまいますから、平成13年6月末までの住宅取得入居が有利になります。
詳細はエクスプレス情報でお送りします。≫
| 平成12年10月20日九段会館相続税軽減を求める東京都心6区区民大会 |
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最新トピック:平成12年11月28日付(平成12年11月28日掲載) 資産税NO.163
相続税制改正−最高税率60%案、贈与税基礎非課税年100万円案、ぞくぞく…
平成12年11月28日、自民党の税制調査会は、平成13年度税制改正として、相続税の軽減措置の検討に入った。
最高税率を現在の70%から60%に引き下げ、贈与税の基礎控除を現在の60万円から100万円程度に引き上げる議論を検討する。
≪例年の税制改正検討が本格的に始まっています。
税制改正大綱がまとまるのも、今年は例年より早く12月8日に発表の予定でしたが、内閣改造の予定に押されて、13日に延期。
相続税最高税率軽減策などが議論の俎上に上がっていますが、下げるときは、別な増税セットが、これまでの大蔵省の改正方法です。
増税とのセットのない減税案は、まだ本気でないのでしょう。
増税策との睨みあわせ議論がこれから始まります。≫
最新トピック:平成12年11月7日付(平成12年11月18日掲載) 資産税NO.162
相続税軽減のための無利子国債非課税案は効果あるか?!
平成12年11月7日公表された自民、公明、保守の与党3党の平成13年税制改正案骨子には、無利子国債の相続税非課税案が盛り込まれている。
≪平成13年税制改正案のうち、相続税軽減策としての無利子国債をみてみましょう。
無利子国債は、下記の国債です。
(1)記名制
(2)無利子
(3)購入者は額面全額を相続税非課税とできる
無利子国債そのものは、決してニューフェイスではありません。
平成9年に旧国鉄の長期債務処理策として検討されたり、平成11年にも、相続税の非課税案として、国債の大量発行が不可避となり、その円滑消のための方策として、検討された経緯があります。
膨大な相続税対象者の資産が無利子国債を多額に購入に走れば、普通国債の消化を促し長期金利の上昇を抑制でき、政府は、国債利払の歳出を軽減できます。
しかし、下記の点から、大蔵の首を振らせるとは考えにくい部分があります。
@国債利払負担の軽減より、相続税収の落ち込みの方が大きいだろこと、
A同じ相続税対象者でも、国債購入の可能な資金所有者に有利となり、売るに売れない不動産・自社株所有者の支援にはならないこと、
B他の金融商品に対し、とりわけ国債のみが相続税に有利な資金として登場することは、他金融機関の販売商品を圧迫するだろうこと。
相続税対策として国債購入する人は、利息の付かない無利子国債は、保有期間を極力短くするために、相続直前に取得して、直後には売却を図るでしょう。仮に保有期間に最低期間が設けられても、その期間をクリアしたらすぐ売却を図るでしょう。
相続後、国債の満期償還まで待てなければ、低額でも売り叩くかもしれません。
国債価格を無視した、相続税ディスカウントを織り込んだ、超低額マーケットが生じることは、果たして日本の金融の信頼を失墜することにならないでしょうか。
そしてなにより、相続税非課税を売り物にすること自体が、納税負担の忌避感を煽ることになり、決して品のいい政策ではありません。
ただし、実現したなら、国債を買うことのできる資金所有者には、大減税です。
客観的にみたら、成立しにくいとはいえますが、今の政局、何が起きても不思議はないからです。≫
最新トピック:平成12年11月7日付(平成12年11月8日掲載)
NO.161 相続税・贈与税の引下げ改正案、検討に!
平成12年11月7日、森喜朗首相は自民、公明、保守の与党3党の政策責任者と会談し、「もう一段、税制面での景気対策が必要だ」との認識を示した。自民党税制調査会も8日に正副顧問会議を開き、議論を本格化した。8日午前森喜朗首相は、奥田碩日経連会長や西村正雄日本興業銀行頭取ら経済人と税制の在り方や最近の景気動向について意見交換した。
≪政府・与党の平成13年税制改正案の骨子は、下記の通りです。
(1)相続税、贈与税の負担軽減
(2)相続税の無利子国債の非課税
(3)住宅ローン減税の強化・延長
(4)株式譲渡益課税の源泉分離方式の存続
(5)企業再編税制の整備――
このうち、相続税、贈与税の負担軽減は、次のようになっています。
(1)相続税と贈与税の最高税率を現行の70%から50%に引き下げ、累進税率も緩和する。
さんざん待たされている相続税率引下げですが、実現するでしょうか。
(2)贈与税の基礎控除額を現在の60万円から100万円以上に引き上げる。
ただし、もし来年基礎控除が100万円に上がっても、今年の基礎控除60万円は生きますから、60万円以下の贈与なら、今年にどうぞ。
また、実現したら、住宅取得資金贈与の特例も、500万円まで非課税にもなるかもしれません。注目です。
(3)「無利子国債」の2001年度からの導入も検討
購入すれば利子がつかない代わりに相続税の負担を軽減する同国債は額面全体を相続税の課税対象から控除する仕組みで、個人の国債購入の拡大を見込むものです。
(4)高校、大学の授業料などに充てるための教育資金を贈与する場合に、税制上の恩典を与える特例措置を新設する案も。
従来、教育資金の贈与は、扶養義務者相互間の贈与として、贈与税は非課税とされていました。
もし、特例措置が設けられたなら、逆に、実際の教育資金に充当したと証明された資金のみが非課税となってしまうのかもしれません。
衣の下から鎧がちらちら見え隠れしています。≫
最新トピック:平成12年11月3日(平成12年10月3日付) 資産税
NO.160 会社分割税制の概要を税調が発表−兄弟会社分割は、課税!
平成12年10月3日、政府税制調査会は会社分割税制について、審議の経過を報告した。最終決定ではないものの、会社分割に関する税制の概枠を絞り込んでいる。
関連資料:政府税調:「会社分割・合併等の企業組織再編成に係る税制の基本的考え方」(平成12年10月3日)
「会社分割・合併等の企業組織再編成に係る税制の基本的考え方(要 約)」( 〃 )
≪会社再編税制は、会社分割税制だけでなく、合併や営業譲渡を含めて会社再編税制として、まとられていきます。
(1)企業の組織再編成により移転する資産の譲渡損益については、原則課税。
ただし、下記の場合には、課税繰延
A.移転資産に対する支配が継続していると認められる場合
B.株主の旧株の譲渡損益については、株主の投資が継続していると認められる場合
(2)課税繰延となる企業支配継続の組織再編成類型
A.企業グループ内の組織再編成
基本的には、完全に一体と考えられる持分割合の極めて高い法人間で行うもの
@)資産の移転が独立した事業単位で行われること
A)移転した事業が組織再編成後も継続すること
B)資産の移転の対価として取得した株式を継続保有することが必要である。
B.共同事業を行うための組織再編成
@)事業が相互に関連性を有するものであること、
A)それぞれの事業の規模が著しく異ならないこと、
B)それぞれの事業に従事していた従業員の相当数が引き継がれることなど、が条件
(3)株主の課税
A.株式の譲渡損益の課税繰延
@)株主が金銭等の株式以外の資産の交付を受けず、
A)株主の投資が継続していると認められる場合
B.みなし配当の非課税
分割型の会社分割・合併により、法人の資産の移転が帳簿価額により処理される場合
(4)各種引当金の引継ぎ等
(5)包括的な租税回避防止規定の設定
(6)分割法人の分割前に納税義務の成立した租税は、基本的に、新設法人等がその承継した財産の価額を限度として連帯納付の責任を負う
(7)会社分割による資産の移転に係る消費税は、合併と同様に取り扱う
以上の概枠に沿って考えれば、次のことが問題となります。
1.改正商法では導入された非按分型分割は、課税繰延とならないため、兄弟会社の課税繰延分割は不可能となる。
2.課税繰延要件不適格な組織再編における資産の移転については、資産移転は、原則時価で行うことになる。
従って、資産を時価以下で受け入れることができたこれまでの不動産M&Aの方式は採用できなくなる。
これらは、課税繰延要件となる同一グループ内の事業継続と資本関係の同一性の条件がどのように決定されるか、にかかってきます。
この条件がどの程度厳しくなるのか、によって、今後の企業再編の使い勝手が決まってくるといえるでしょう。≫
最新トピック:平成12年10月19日付(平成12年10月19日掲載) 資産税
NO.159 株価が1万5千円割れ、11兆円の新生経済対策−株譲渡源泉分離課税は存続に
平成12年10月19日の日経平均株価終値は、14,811.08円と、1万5千円割れを記録した。
対するNY株式市場は反発して1万ドル台($10,142.98)を回復したものの、政府・経済対策会議は、同日、「日本新生のための新発展政策」を発表。IT関連の後押しなどにより向こう1年間で実質GDPを1.2%程度押し上げるとし、議論のあった株式の源泉分離課税についても存続の方向を示唆した。
「日本新生のための新発展政策」(PDFファイルです)
≪日経平均株価が年初来最安値となりましたが、13年前の10月19日ブラックマンデーを思い出された方も多いでしょう。
さて、株譲渡課税について、政府の新発展政策の「V.その他」では、下記のように触れています。
「株式譲渡益課税について、これまでの経緯を踏まえ、株式市場の役割や株式市場への影響、一般投資家の参加、公平な課税等の見地から、検討し、年度改正の中で早急に結論を得る。」
源泉分離課税の存続の声や高し、でしたが、これで存続の決定をトップダウンでおろしたとみていいのでしょう。
存続であれば、手持ち株式の原価(簿価)上げを準備していた方は、この最安値の現況で実行するよりは、株価の回復を待った方がいいことになります。
ただし、源泉分離課税の制度そのものは、旧租税特別措置法37条として、既に日本の法律には存在していません。
存続させるためには、現在生きている平成13年3月末までの経過措置の期限の書き換えによるしかありません。
既に源泉分離課税廃止のパンフレットを各税務署に配置して事務準備をしている大蔵省・国税庁の現場からは、「それはないよ」というところでしょう。
また、源泉分離課税存続の条件として「20%のみなし利益率」の引上げ見直し、つまり、売買高の1.05%の税率を高くする案が浮上していますが、そのためには、経過措置では足らず、既に廃止した法律の再法制化が必要になります。
法廃止とともに関連の措置法通達等も既に平成11年で廃止され消滅しています。
さて、大蔵省がどのように対応して平成13年改正に盛り込まれていくのか、関心の高いところです。≫
最新トピック:平成12年10月9日付(平成12年10月10日掲載)
NO.158 千代田生命保険が経営破綻、更生特例法申請!−チェックしましょう生保会社の経営健全度
平成12年10月9日、9月末で343億円の債務超過で経営難に陥っていた中堅生命保険会社の千代田生命保険は、業務の継続が困難であると判断し、東京地裁に更生特例法の適用を申請した。千代田生命は、平成12年3月のソルベンシーマージン(支払い余力比率)を、早期是正措置適用対象となる200%を越える263%として報告していた。
これに先んじて、平成12年9月21日、金融監督庁は、破綻会社を除く生保会社19社の債権検査の結果を公表していた。
「生命保険会社(19社)に対する検査結果について」(2000/09/21)金融監督庁
≪金融監督庁の検査結果によれば、保険会社の自己査定では、
@1.2兆円の第U・V・W分類とすべき与信債権が、第T分類に計上されていたこと、
A償却・引当不足が1,800億円に達すること。
Bソルベンシーマージン比率は32ポイントも過大に計上されていたこと、が報告されています。
破綻した千代田生命の場合は、死亡保険金や入院給付金については、
(1)当面、契約通り全額支払われるそうですが、
(2)解約・転換、契約失効時の払戻金請求受付は停止
(3)個人・団体の保険と年金は、責任準備金の90%までは保証され、一部がカットされる可能性、
(4)予定利率は引き下げ、貯蓄性の強い商品を中心に契約額が削減されそうです。
生命保険は、資産運用や税務マネージメントのうえで、上手な加入をした場合は大変効果的であり、重要ですが、その加入会社や加入契約によっては、却って事故につながります。
現在自分が加入している生命保険契約の保険会社と保険契約内容の双方のチェックが必要です。≫
最新トピック:平成12年9月26日付(平成12年9月30日掲載) 不動産
NO.157 証券化ぞくぞく−信託受益権売却による不動産流動化資金調達
平成12年9月26日、西友は、愛知県春日井市の店舗など9店舗を証券化し320億円調達すると発表した。
≪信託を使っての不動産証券化が行われています。
西友さんは、店舗の土地建物を安田信託銀行に不動産信託したうえで、その信託受益権をSPC(特定目的会社)に320億円で売却、96億円の譲渡益を計上します。SPCは、機関投資家に証券を販売、機関投資家は証券を買って西友への賃貸料から発生するSPCの配当を受けます。
不動産信託そのものは登記上明示されますが、西友は売却店舗を賃借して営業は継続するというリースバックです。
不動産をSPCに売却してしまう方法に比べての信託受益権売買のメリットは、ズバリ、不動産流通税です。不動産信託なら、登録免許税は0.6%。SPC軽減での2.5%(通常は5%)より遥かに税コストパフォーマンスに優れます。
外見上は従来通りでありながら、西友さんは、不動産をオフバランス化(譲渡して現金化することで貸借対照表から切り離す)ができることになります。 不動産は実質手放さずに含み資産の売却益を計上して財務体質が向上、資本に対する収益率(ROA=総資産利益率)がぐんとアップします。
ただし、それは西友さんが劣後債引受を10%以下にとどめて、買戻特約などをつけずに、不動産売買とした場合です。
日本公認会計士協会は、平成12年7月31日の実務指針でオリジネーター(原資産所有者:今回は西友さん)がオフバランスとなるリスク負担の基準を、平成13年3月31日までは経過的に10%以下としたからです。もし劣後債引受が10%超であるならば、会計上は、不動産譲渡とはならず、単なる金融取引となります。
その場合は、売却益出しではありませんから、逆に譲渡課税も受けないことになり、会社は無税となりますが、国税の判断はまだ出ていません。
税務では、法人税法22条で「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算されるものとする。
」とされていますから、原則では会計基準に足並みを揃えることになります。
しかし、平成10年に「信託受益権が分割される土地信託に関する所得税、法人税、消費税並びに相続税及び贈与税の取扱いについて」の通達(平成10年3月13日付課審5−1ほか5課共同)が発遣され、受益権の分割・譲渡の態様などからみて、受益者が信託財産を所有している実態にあるものの信託財産の異動及び受益権の譲渡については、受益者がその信託財産を所有しているものとして、長期譲渡所得の課税の特例等を適用する、とされました。
従って、信託受益権の譲渡が、受益者に所有権が移転している実体のあるものは、不動産そのものの譲渡として、譲渡課税を行うことになります。劣後債が4割であれ、不動産の譲渡として譲渡課税を受けることになっていたわけです。
ただし、この通達段階では、今回のオフバランス基準導入後の信託受益権設定を、平成10年土地信託通達を援用して不動産譲渡課税とするのか、劣後債10%超の場合は移転なしとして会計基準に足並みを合わせるのか、不透明です。
税務上の安全性を見越すなら、会計基準で移転なし借入金処理しても、受益権売買課税を自己認識し、別表加算で課税完了してしまうことになります。
オリジネーター劣後引受の信託受益権売買については今後の国税の取扱が注目されます。≫
最新トピック:平成12年9月20日付(平成12年9月23日掲載) 法律
NO.156 大和銀行の株主代表訴訟、元役員らに829億円賠償命令−同族法人も要注意
平成12年9月20日、大阪地裁は、平成7年に発覚した大和銀行ニューヨーク支店の巨額損失事件を巡っての株主代表訴訟の判決を下した。池田光宏裁判長は役員の善管注意義務違反を唱えた株主側の訴えを一部認め、当時取締役ニューヨーク支店長だった安井健二元副頭取に単独で5億3000万ドル(約567億円)を、また安井元副頭取、海保頭取を含む現・元役員ら11人に計約2億4500万ドル(約262億円)を支払うよう命じた。賠償額は総額7億7500万ドル(約829億円)に上ることになる。
賠償請求額は、損失した約11億ドルと米国捜査当局に支払った罰金など3億5000万ドルの総額14億5000万ドル(約1551億円)だった。
≪株主代表訴訟とは、その会社の株式を6ヶ月以上保有している株主が、会社の役員に対して、会社に与えた損害の補填
を請求するもので、平成6年の商法改正で、訴額に対し8,200円で訴訟が起こせるようになったものです。
株主は、役員の会社への賠償を請求するのですから、裁判に勝っても、賠償金は、株主にではなく、会社に払われます。
今回の判決賠償金は、NY支店長に個人でも567億円という巨額。このあと被告側から高裁に上訴され、平成12年4月のコスモ証券飛ばし損失訴訟は、698億円の賠償請求に対し1.3億円の和解などの実績から、実際には和解になるだろうというのが大方の見方です。
しかし、この判決に震え上がった役員さんも多かったことでしょう。
現在法制審議会が2年後の商法改正を進めていますが、ここでは、
@違法行為があったことを知ってから株式取得した株主は提訴できないこととする、
A株主総会の特別決議で、賠償限度額を役員の報酬の2年分以内とする、
ことなどを検討していますが、いずれにしても、会社と株主に対する役員の責任の重さにはかわりありません。
現在は役員賠償責任保険が商品化されていますが、この保険料負担は、役員個人と会社と半々。
実際には、加入限度額は上場企業クラスで20−30億円ですから、今回のような巨額の賠償金には対応できません。
これは、上場企業の問題だけではなく、中小企業の株主でも、全く同じです。
とりわけ同族法人の場合は、株主の足並みの乱れが、株主代表訴訟によりオーナー切り崩し方法となる場合もあります。
同族法人こそ、健全経営と株主構成のきちんとした見直しが必要なのです。≫
最新トピック:平成12年9月19日付(平成12年9月20日掲載) 不動産
NO.155 7月1日の基準地価も9年連続下落▲3.6%−商業地には上昇地も
平成12年9月19日、国土庁は、平成12年7月1日現在の土地の価格である都道府県基準地価を公表した。
全国平均で▲3.6%(前年3.6%)、商業地は▲6.3%(前年▲6.6%)、住宅地は▲2.9%(前年2.7%)。
三大都市圏では、連続10年の下落となる。
≪基準地価は、その年7月1日の価格を都道府県が調査するもので、この基準地価をもとに、時点修正して、翌年1月1日の固定資産税評価の基準とするものです。
都道府県別の下落率のトップは▲10.8%の千葉県がトップ。これは、1月1日の地価公示価格と同じ傾向です。
首都圏でも、渋谷は0.7%、八王子は10.5%と、IT人気の渋谷区は、23区内で最も低い下落率となり、一等地では西新宿1丁目など、2.2%の上昇地もあります。
企業の社宅やビル売却など、「売り」要素下落の反面、人気地域は「買い」の上昇、人気地域でも設備不足の中小ビル地域は下落、と一段と個別選考が進みます。
問題は、来年の固定資産税。地価が下落すれば相応に税負担は軽くならねばならないのですが、固定資産税は3年ごとの基準改訂。
この下落がどう税負担に反映されるでしょうか。
特に不動産オーナーにとっては、賃料と税金の板挟み状態。予断を許しません。≫
最新トピック:平成12年9月6日付:(平成12年9月8日掲載)
NO.154 法制審部会、2年後の商法改正で非公開会社法を整備
法務大臣の諮問機関である法制審議会は、平成12年9月6日、商法部会において、2年後をめどとして商法を50年ぶりに抜本改正する基本方針を決定。現在の会社法を全面的に見直して、公開会社と非公開会社に区分して、それぞれの法制を準備する。
法務省法制審議会商法部会「今後の商法改正について」
≪経済のグローバル化や情報技術(IT)革命の進展に対応するのがその趣旨ですが、定期借家法制度を実現し弁護士資格も持つ保岡法務大臣の手によって、商法改正は大胆にすすみそうです。
具体的な検討事項は、
(1)企業統治(コーポレート・ガバナンス)の実効性の確保し、競争力を向上
会社の機関のあり方(株主総会制度,取締役制度,監査役制度等のあり方,完全親子会社における機関のあり方,会社の区分に応じた機関のあり方等)
会社情報の開示のあり方(計算規定及び計算書類規則の見直し,計算書類のインターネット登記所公開等)
ストック・オプション制度の改善
(2)高度情報化社会への対応
会社関係書類の電子化
株主総会の改善(招集通知及び議決権行使の電子化,テレビ会議システムを利用した株主総会の開催)
計算書類のインターネット登記所公開
(3)資金調達手段の改善
株式の単位規制の見直し,額面株式制度の廃止,資本準備金による株式消却制度の取扱い等
(4)商法の現代語化−など。
そして、非公開会社法制は、
(1)株主総会の定足数の条件緩和 「持ち回り総会の導入
(2)取締役の責任:無過失責任不問、会社を5年以上離れた社外監査役は制限、一人取締役制、常勤監査役不要.
(3)株主代表訴訟の対象を会計監査人にも拡大、
(4)ストックオプションの付与対象拡大 ≫
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